茶摘みのシーズン、特に4〜5月頃が一番お忙しいのではないかと思いますがそれ以外の時期のお仕事は?

みんな言いなっとですよ。「茶摘みの終わったらゆっくりできるね」って。そやんこつなかとです。年中忙しかですよ。今年は4月19日頃から一番茶の摘み取りを始めましたけど、そのあとは2番茶摘みが控えとります。いつもの年なら6月くらいやけど、今年は5月末から6月頃でしょうね。その2番茶の芽が出てくるまで遅れて出てきた芽を切ったり枝をそろえたりします。茶の葉が上にも横にも延びてくっでしょ、茶を摘むのは機械ですから上に延びた葉はきちんと摘めるように機械にあわせて切り、横に延びた葉は畝を隠してしまうのでそれもそろえて切ってやらないかん。茶摘みが終わって工場の仕事が終わったら、夏は除草、秋は元肥ふり。畑が一段落したら機械類の調子をみたり修理をしたり。冬の一時でしょうね、少しゆっくり出来るのは。

 

人吉球磨は冬場は特に霧が深いですがお茶の木に影響はないですか?

割と水気なんかには強かですね。気候的にもよかですよ、上村は。うちの茶畑は白髪岳の麓の高かところにあるとですけど。広さはだいたい2丁3反(230アール)です。

 

春、新芽の吹いた美しい緑の畑をご覧になっていかがですか?

緊張すっです。「いよいよ始まるな」て思います。摘めるような状態になったら2、3日が勝負です。葉っぱは延びるとば待っとってはくれん。延びすぎたら堅くなる。それと、霜にやられんやろかとか。摘み取りも昔は近所のばあさんたちに加勢してもらいよったばってんばあさんたちゃ、しゃべくりながらぱっぱ、ぱっぱ摘みよんなるけん、荒かったいなあ〜。いやぁ機械の方がきれいかけん、手摘みはやめったっですたい。

 

お茶の善し悪しというのはどのへんでわかりますか?また、松本さんのお茶の特長とはどんなところでしょうか?

工場での製造過程は蒸し、揉み、乾燥、選別 、火入れとありますが最初の段階でだいたい(善し悪しが)分かります。動いている機械の中で葉っぱが回っているのを見ると「今年はよか具合やね」とか「虫の少なかごたるね」とか。年によって出来、不出来もありますから出来の良い年は自信持って売れるけど、そうでない時は困ります。あと、うちのお茶は、焙煎ががやや強めなんです。焙煎というのは火入れのことで、これはなんといっても鼻が勝負。全て自分なりの火加減でやってます。好みもありますけど、うちのお茶を買って下さるお客さんはそれ(焙煎がやや強め)が好きで買われているんだと思いますね。

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